今月は、九品仏駅を右手に出て4つめの交差点にある「カフェ. メゾンドケー.」の鈴木勇樹さんにベルギービールの魅力をうかがいました。
2012年2月20日にグランドオープンしたので、ちょうど8年目です。ここは、2011年11月の終わりにスケルトンで借りて、12月と1月の二ヶ月間丸々使って工事しました。厨房のタイル貼りや壁面の塗装とか、結構、自分たちであちこち作っているので、工事日程も少し長めにとったんですね。
開店当時は、どっちかというと食事とお茶っていう感じで夜はビール。冷蔵庫1本だけでベルギービールは30種類ぐらいしかなかったです。2〜3年目ぐらいからベルギービールにシフトしちゃいました。
ビールは300種類を超えてからは数えていないのですが、今は350〜360ぐらいありますね。冷蔵庫も3本に増えましたし。グラスもビールとセットなので、店と家の倉庫に千以上はあるはずです。
ベルギービールってそれが当たり前だと思っているので。醸造所が自分のところのビールに合うグラスを作っているのでそれを使おうかなと。なるべく本国のスタイルに合わせようかなと思っています。
面白かったんですよね。一番最初に飲んだやつがフルーツを使ったビールだったんですけど、甘いやつ。こんなのあるんだーと思って、日本にはないじゃないですか。で、ベルギーのビールってどんなんなんだろうと色々と調べてみたら、なんかいっぱいあるって分かって。自分でガーと買って飲んで、これ面白いぞってはまっていったんです。
両端のはもう日本に1本しかないです。特に右端のは「マルール(1)」のテイスティングルームに立っているものです。元々はインポーターさんのところに壊れたタワーが2本戻ってきていて、バラして直せば1本使えるのができるよ、っていうので譲ってもらいレストアしたものです。真ん中の「K」と書いてあるのはベルギーで受注生産しているもので、去年の改装の時にうちでオーダーして作ってもらいました。真ん中の光っているのは関東だと2店舗しかないです。
うちはいるんですよねぇ、一定数。うれしいことに。特に夜はそうですね。ビール1杯が千円っていうのは分かんない、っていう人が以外と多かったんですけど、偶然だったのは、こういう立地だったので駐在でブリュッセルに行っていたりとか。ベルギーで仕事していたっていう人が結構いて「こんなビールないの」って聞かれることが多くて、探してみたら日本に輸入されているんで仕入れ始めたりとか。そんなきっかけで増えていったんですよ、どんどんどんどん。それが縁で取引を始めたインポーターさんもいるし、まぁ、面白いですよね。
ビールについては、サービングも含めて状態のチェックは手を抜きません。うちはベルギービールを紹介している店でもあるんで。初めて飲むお客さんに対してちゃんとしたのをこれですよって出してあげないと。たまに劣化していたりするので、栓抜いてだめだと思ったらそれはお客さんには出さないです。そこは気をつけてますね。あと、接客するときには、お客さんの好みを覚えて、その料理に合うビールを提供することを心がけています。
年に1回、マルール祭りをやっています。今年も7月に予定していますが、すごいですよ。リリースされている樽が7種類と店にあるボトルすべてが飲み比べできます。その中にマルール・ロッサっていうアンバーのビールがあって、元々はイタリア向けのビールなんですが、それを去年うちとインポーターさんとの依頼で日本版にアレンジしてもらったオリジナルビールです。今年もそれが飲めます。
年に1回は行きます。現地の醸造所の社長さんに挨拶をしたり、新しい醸造所を視察したりです。あと同時期にベルギーに行っているインポーターさんとかもいるんで合流して夜ちょっと飲んだり。だからなんかビールっていうよりは、地元の人が飲み食いするのと同じような感じでバーに行ったり、レストランに行って飯食いながら飲むとか。毎年それを体感しに行ってこないと忘れちゃうんで。
奥沢だと「あわい」さん。「あわい」は遅くまでやってくれているんで、夜はいろんなところのシェフが来る、偶然顔合わせて密会の場みたいになる。
ありがとうございました!
(1) 1800年代の中盤から醸造を始めたベルギーを代表するビール醸造所。一時期閉鎖していたが1997年に復興した。マルールとは不幸という意味「目の前の不幸を飲み干して幸せになる」といった意味合いとのこと。
電話番号 03-6432-1515
営業時間 平日・土・祝前 12:00 - 16:00 / 18:00 - 24:00 / 日 12:00 - 22:00
定休日 木・第1水曜日