今月は、九品仏駅を右手に出て最初の交差点の少し先にある「蕎麦処 有楽庵」の羽深芳幸さんに食事を提供する際のこだわりなどを伺いました。
昭和12年に開業しましたから、今年で創業82年です。で、私は3代目で今は私の父と母、嫁、弟と社員・パートさんの約10名でやっています。そば打ちは弟と私が交互に打っています。朝打ちまして、限定品なのでなくなり次第追加で作るときもあります。手打ちは限定品なので、機械打ちそばも私が心を込めて作っております。
弟は他店で修行してきたので、それを横で見ながら何カ月か練習しました。
最初の頃は使える量って半分ぐらいで。太かったり短かったりして無駄になってしまいました。そば打ちは品質にこだわらなければ、どなたでもできると思うんですけど、やっぱり安定した品質にするには結構時間がかかりました。まだまだ修行中の身です。
産地は1年の間に北は北海道から南は福井県まで4〜5カ所変わります。時期によってとれる産地がちがうので、それにあわせて収穫されたものを使っています。毎日そばを打っていると産地によっていろいろ特色があったりするので、打っている方としても楽しみですね。
いろいろ試しましたが、先代からお願いしている製粉会社のそば粉が一番バランスがよくて。どうしても見た目が黒っぽいおそばってボキボキしていて堅いイメージを持たれている方が多いんですけれど、ここのそば粉は歯切れも喉ごしも良いので自信を持ってお届けできます。いい意味で期待を裏切られるんじゃないか、という感じですね。
私が生まれたときにはとっくにありましたので、最低でも50年以上はあると思いますよ。中華の麺もうちで作っていて、特にスープは和風の鰹の効いた出汁を使っていますので、あっさりしているけどコクがあるスープになっています。
盗聴器があるんじゃないか、とか噂がありますがそんなことはありません(笑)。出前用に特に何かしているわけではないですけど、時間のかかるものから先に作り始めて最後に仕上がる時間が同じになるようにはしています。
常に安定した品物をご提供できるように品質には気をつけています。温かいものはより熱く、冷たいものはより冷たく召し上がっていただけるようにとか。また、手打ちそばは茹で時間が30秒なので、そばを入れても沸騰している状態でないと、シャキッとしたそばにならないんです。かなり大きな釜ですけど一度に3人前ぐらいしか茹でられません。ですので釜は2つあって常にお湯は沸騰している状態にしてあります。お湯も汚れたらすぐ替えられるように、釜の底からも抜けるようにコックをつけてもらったりいろいろ工夫しています。
賑やかさはないですが、ほのぼのと安心できる商店街だと思います。家族で出前をとっていただいたりとか、昔から愛されているような、そういうお客様が多いと思います。
商店街もここ10年ぐらいでずいぶん変わりました。昔は駅降りて両脇に向かい合わせに八百屋さんがあって。ものすごく賑やかな感じでした。八百屋さんもお肉屋さんも4店舗ずつぐらいはありましたね。
昔からのお店は先代先々代からのつながりがありますし、新しく越されてきた方も皆さん商店街の行事とか参加してくださっていて、非常に助かっています。
ハロウィンのイベントも年々人が増えて。子供たちがお菓子を求めてすごい並んで、どっからこんなに集まってくるんだろうって(笑)。
ちょうど真夏なので、冷やしタヌキとかおすすめです!
大和屋さんのコロッケとか、おいしいなぁと思いますね。油っぽくなくて、いくらでも食べられちゃいますね。本当においしいですね。
ありがとうございました!
電話番号 03-3703-3655
営業時間 11:00 - 15:00 / 17:00 - 20:00
定休日 水曜日