今回は「魚重」の川村信重さんにお店の様子や地域とのつながりについて伺いました。
1965年、僕が生まれて2ヵ月の頃に先代がこの魚屋を開店しましたので、生まれてからずっと魚屋です。父、川村重三(じゅうぞう)の「重」をとって「魚重」(うおじゅう)と言います。うおしげと言われることもよくありますが、僕は信重(のぶしげ)なので、まあいっか(笑)今のお店は40年前に一度建て替えていますが、お店の隅にある「吊り量り」や天井から吊しているレジ代わりの「かご」等、創業当時と変わらない所もあります。はじめて来店される方はレトロ〜ってびっくりされますね。父が他界して、築地市場から豊洲市場に移ってからは妻と二人三脚ですので早い時間に魚が並べられないのが申し訳ないんですが、その分のんびりご来店ください。土曜日はお出かけ前の注文が多いので早めにお声かけいただくと助かります。
僕が生まれた時はお店の二階が住居で寝ても覚めても魚屋、幼いときはどこかに行かないようにとお店の前にある大きな桶に入れられていたんですよ(笑)
いろんな魚を食べさせてもらったので魚の美味しいところは全部たべたんじゃないかってくらいです。
小学校に通う頃には配達の手伝いや、毎日父ちゃんと仕入れに行くようになって魚の奥深さを学んだり、問屋との信頼関係でいい魚が仕入れられるかが決まることを肌で感じました。お客様に「美味しかったよ」と嬉しい言葉を直に返してもらえるのが個人店の特権で、やめられないですよね。
昔ながらのお客様が多いですが、老若男女問わず色々な方が見えます。最近では小さな手でお買い物をしてくださるお子様が増えて嬉しいです。時々保育園だったかなー?なんて思うくらいにぎやかな時もありますよ(笑)
お料理が苦手な方には簡単な食べ方をお伝えしたり、逆にベテランの方からレシピを教えていただいたりと、お客様とお話しすることでこちらが笑顔や元気をいただく事も多いです。引っ越してしまった方も「やっぱり九品仏はいいな〜」って時々寄ってくれますね(笑)九品仏はすごく穏やかでゆったりのんびり安心できる街です。今年は閉店してしまったお店が多くて少し寂しいですが、また新たに穏やかな風が入ってくるといいなと思います。
1年前に嫁いできた妻が一人でも魚を食べる人が増えるように魚を知ってもらいたいという気持ちから絵を描いたり、レシピを置いたりしていました。そのうちに季節の行事やお客様に聞いた話などこれは面白いと思ったことを提示しています。『楽しい事は一人でも多くの人が楽しいほうがいい』妻が良くいう言葉です。そういうのを見てか子供たちが折り鶴や魚の絵、時にはお手紙を書いてくれたりして、エネルギーをいただいてますよ、ありがたいですね。
お店に立ち寄っていただけるだけでもお魚の美味しさやお客様が不思議に思うお魚のなんで?を解決できればと思います。魚離れといわれる時代ですので何でも聞いて下さい。
フライフィッシングが好きですが、震災やコロナの影響で行けなくなってしまったので今はため込んだ映画を観ています。昔は秋鮭を釣って九品仏の仲間とちゃんちゃん焼きをしたこともありました。懐かしいです。
今年は海水温がなかなか下がらず魚の季節や産地がずれてきています。去年はブリが不漁でしたが、本当なら寒ブリで脂がのって美味しい時です。今年は手に入るか分かりませんが、特に氷見のブリが最高です。豊洲市場には日本全国からお魚が来ますので、毎日仕入れに行ってその日美味しい魚をお店に並べています。仕入れは東京の天気には左右されませんのでぜひお店に足を運んでみてください。
自由が丘南口にある昭和46年創業の沖縄料理屋『なんた浜』さん。コロナが始まって行けていませんが可愛いおばぁとやさしい娘さんが迎えてくれます。忙しい時間を忘れてのんびりできます。時にはお客さんが三線と歌を歌ったりしていますよ。夫婦そろってここが好きなんです。
魚屋はクリスマスの頃に一足早いお正月の準備を始めます。お正月用品のご予約でご不明な点がございましたらお尋ねください。年内は31日まで営業しています。今年もコロナ禍の中ご来店いただきありがとうございました。
電話番号 03-3703-3865
営業時間 10:30 - 19:00
定休日 日曜日・祝日